意識高くないゆとり

平成初期型ゆとり世代の意識が高くないブログです。

【感想】天才を殺す凡人 職場の人間関係に悩む、すべての人へ【他者理解だけでなく自己理解にも役立つ視点かも】

今回読んだ本のタイトルですが、「殺す」とはなかなかに強烈なものですよね。

ただ、自分がこの本に興味を持ったのはタイトル後半である「職場の人間関係に悩むすべての人へ」という文言でした。職場の人間関係がうまくいかない、他者が理解できない、他者に理解されないということは往々にしてあることだと思いますが、そこでのズレを「天才」「秀才」「凡人」の3タイプに大別し説明しています。

 いくつかのタイプに分けてその関係性について説明するというとよくありそうに感じますが、こういった切り口があるのかという新たな発見の多い一冊でした。

以下特に印象に残ったところです。

 

物事にはフェーズがある

物事の広がりとして、「創造性」→「再現性」→「共感性」というフェーズを経ていくという話。これは会社組織そのものであっても同様であり、同じ職種であっても会社のフェーズによって求められる力は変わってくると本書は指摘します。

大企業の営業と、ベンチャーの営業職では求められるものが全然違います。

前者の営業職は、文字通り「定型化されたものを売る」仕事です。ですので「実行力」が一番必要でしょう。

一方でベンチャーの営業職は、どちらかというと「新しいものを作りながら、どう売るか」という視点を求められます。

 つまり同じ職種であれど求められる能力、才能には違いが出てくるということ。

現在の仕事がうまくいかないと感じたとして、他業種、他職種に行かなければならないと考えず、その会社のフェーズを落ち着いて見直してみると良い、というのは大事ですね。「営業は向いていない」といったことを言う人もいますが、そんな大雑把な見方をせずとも、自分の活かせるフィールドがあると考えて行動したいですね。

凡人には「自らの言葉」という武器がある

己を凡人と考える人は多いと思います。自分も同様です。

そんな凡人が判断の軸とするのが「共感性」というもの。この共感性を軸にした判断の危険性についても多く書いてありますが、それは置いておいて、そんな凡人が持っている武器は何か。

それが「自らの言葉」。

その言葉によって共感を呼び、多くの人を動かすことができるといいます。共感を軸にするということは、多くの人の共感を呼ぶこともできます。そういった部分では凡人にだって武器があるということ。

この話を聞いて自分が思い出したのは柔道です。

柔道というスポーツの魅力に、どんな体型の人間もそれを武器にできる、ということがあります。足が長ければ足技が生きる、足が短ければ重心が低く背負い技が生きる。

これと同じで、凡人だから才能がないと考えずに武器を使って生きていきたいものです。

みんな違ってみんないい、というやつですね。

それぞれの中に天才がいる

先のフェーズの話にもありますが、天才・秀才・凡人の区分けとして、「創造性」「再現性」「共感性」という3つの判断軸があると書かれています。そして天才は創造性しかないとか、凡人は共感性しかない、という訳ではなく全ての人が上記3つの要素を併せ持つ、とも書かれています。

ただ、自分自身の中にあるストッパーによってそれが発揮できない。そのストッパーを外すことができれば、ということが書かれています。

実に単純ですが、自分自身の可能性があるということはワクワクしますよね。自分自身がどのようなバランスか、ということを考えることで自分自身の能力をより強く発揮できると感じさせてくれます。

まとめ

人間をいくつかのタイプに分けて分析、という本は巷に溢れていますが、この本は非常に納得できる内容でした。

仕事で合わないという人がいたら、「その人がどのタイプに近いだろうか」ということを考えると少し理解に繋がるかもしれません。また、自分自身がどのような人間かということを改めて考えてみるのも良いかもしれません。

自分のタイプを理解し、他の人間の考え方を少しでも理解できれば無用な衝突はなくせると感じました。

職場に「あの人何考えているかわからない」ということがあるなら、ぜひ手にとって読んでみることをお勧めします。