意識高くないゆとり

平成初期型ゆとり世代の意識が高くないブログです。

『「ほとんどない」ことにされている側から見た社会の話を。』読みました。

最近はてなで、フェミニズムに関する言及が多くあります。

アニメとフェミニズムの衝突などを見ていて感じるのが、現状の認識の差が圧倒的に大きいために噛み合っていないんじゃないか、ということです。

私は男性ですので、女性が今置かれている状況がどのようなものか、身を以て理解することは難しいです。

例えば性暴力の被害者の多くは女性であり、多くの男性にとって性暴力は「ほとんどない」ものに感じられるかもしれません。

そんな、「ほとんどない」側を知ることが、性別に関する問題を少し前進させると感じます。

ただ、男女における性別差別に関して、しょっぱなから学術書を読むのは辛そう。

関心を持っているけどどんな本を読めば良いのか、という場合にこの本から入るといいんじゃないかと感じました。

 

 この本の紹介に、

性暴力被害、痴漢犯罪、年齢差別、ジェンダー格差、女性蔑視CM、#metoo運動などを取材し、おもにウェブで発信してきたライター・小川たまかはじめての著作。
2016年から2018年に起きた、性犯罪やそれにまつわる世論、性犯罪刑法改正、ジェンダー炎上案件などを取り上げ、発信してきた記録です。(出版社の紹介)

とあります。

 ここ2年間で起きた出来事から筆者が感じたことを書いていく、という内容であり非常に身近なテーマ(出来事)のため読みやすいです。

 

学術書といったものと違い、非常にフランクな内容。
こういったことってあるよね、という筆者の体験などが中心であり説得力に欠けると感じることがあるかもしれません。
ただ、身近なテーマ(出来事)に対してこういった考え方があるんだ、こういった事実があるんだ、ということを知ることが非常に重要と感じます。
 
 個人的に印象に残っているのが、「無神経だから相手の拒絶を理解できていないかった」→「強姦ではない」→「無罪」という事件。
日本は性犯罪の発生率が低いという話もありますが、こんな現状であれば実際どうなのかはわからんなと感じます。

www.believe-watashi.com

現状の性暴力について取り上げているサイトで、現行法の問題点などが大変わかりやすく載っています。
書籍と併せて見るとわかりやすいと感じました。
 
他に印象に残ったのは痴漢について。
バカバカしくならないだろうか。痴漢被害者と、痴漢の実態を知らない人とで「女性専用車両はアリかナシか」といったことを議論し、時には対立しあっていることが。
と本文にありますが、痴漢の問題となると痴漢被害者vs痴漢冤罪被害者(になるかもしれない人)といった対立構図になりやすい。
何もそれでは解決しないし、痴漢をする人がどんな人なのか、どうしてそんなことをするのかに目を向ける必要があると感じます。
 
 ということで、ここを起点に様々な書籍に手を出すと理解が深まると感じました。
女性にとって、この国は想像以上に住みづらいのかもしれないかもしれません。
個人として、まず少しずつ知ることから始めます。