【感想】没頭力 「なんかつまらない」を解決する技術【何をするでなく、没頭それ自体に価値がある】
休日はせっかく時間があるから色々したい、そう考えていても気づけばダラダラ過ごしていて1日が終わってしまう。
そんな経験がある人、多いのではないでしょうか?
私自身「あれやろう」「これやろう」と考えていたものの、気づけば何もせずに休日が終わってしまうことがたくさん…。
もっと有効に時間が使えれば、そんな思いで読んだのが「没頭力 「なんかつまらない」を解決する技術」という本。
ぼんやりとした不安がある、という状況をふんわり解決できる気ができそうな一冊でした。
「没頭」は幸福の一要素である
「ポジティブ心理学」というのは、1990年代の終わりに、全米心理学会会長のマーティン・セリグマンという心理学者が提唱した新しい学問分野です。そこで彼は人間が幸福を感じるための要素は「快楽」「意味」「没頭」であると定義した。
どのように人は幸福を感じるのかと言われれば、「快楽」「意味」というものは想像がつきやすいと思います。
好きなものを食べる、好きなだけ寝るといったものが「快楽」、偉くなって認められる、 誰かの生活を豊かにするから頑張るといったものが「意味」となります。
それに対して「没頭」というものはちょっと意外な感じ。
「没頭」は、何かに夢中になって時間を忘れてしまうくらいの強烈な集中状態にあること。
と本文では定義されています。
「没頭」という言葉は、「何に」ということとセットで語られることが多いですよね。
意味があることに没頭していればそれは素晴らしいことと考えられますが、それだけでなく没頭していること自体に大きな価値があるそうです。
例えば、ロケット鉛筆の芯を出しては後ろに挿していくとか、そんなものであっても没頭していればそれは幸福ということ。
「意味」がないことは無駄であり、建設的でないと言われますが、そんな意味がなくたって全然オッケー!!というのはホッとしますね。
「没頭」するための条件
さて、幸福の要素でもある「没頭」状態になるためにはどうしたらよいのでしょうか。
この「没頭」という状況を本書では「フロー状態」と表現しています。
スポーツでは「ゾーン」と呼ぶこともありますよね。
このフロー状態になるために必要な条件として本書が提示しているのが以下の三つ。
・ゴールとルールがはっきりしていてフィードバックが早いこと
・その場の状況を自分でコントロールできていること
・自分の持っているスキルと行為のバランスが取れていること
例えば学習において応用が効かせられます。
1ページから10ページまでの問題を解く、というときに、
① 1ページから10ページまで問題をまとめて解いて、最後に丸つけをする
② 1ページごとに丸つけをしていく
の二つのやり方では、後者の方がフィードバックが素早く出るためにフロー状態に入りやすいと考えられます。
そして、その取り組みのやり方がコントロールできる、例えば周りの人に強制的に取り組まされていない状況というのも重要。
誰かに命令されたものはなかなか没頭しづらいと考えられます。
最後に、レベルが自分にあっていること。
取り組んで緊張感が持てない作業では没頭がしづらいということです。
自分何かに取り組む場合は、この条件を揃えるように意識してみると良さげ。
没頭するための3ステップ
没頭するための条件を揃えたら、いよいよ没頭するだけ。
①不安→②開き直り→③没頭(フロー)
という流れが必要になるそうです。
具体的にやりやすい方法として、
①まずはストレスをかける(交感神経を働かせる)
②次に一気にリラックス(副交感神経を働かせる)
③目の前のやるべき行為に集中する
この流れ。
誰かがいる環境の方が集中できるという人も多いのではないでしょうか?
カフェで勉強をするという人は、他者がいてノイズが入るような環境でストレスを感じ、そこで飲み物を飲みリラックスし、作業に集中していく、という流れですよね。
カフェでの学習は割と理にかなった取り組みと言えるかもしれません。
まとめ
没頭力という言葉はあまり馴染みがない人が多いと思いますが、集中力と言い換えることもできるかと。
そうすると本当に様々な作業に役立てることができると思います。
またこの本では「ポジティブ心理学」や「フロー状態」など、様々な研究から引用しています。
読む中で関心を持ったものをより詳しく学んでいくと面白いですね。
もともとはニコ生を文章化したもののようですので、コメントに対して筆者がレスポンスをしていくため、ちょっとわかりづらいと感じる人もいるかもしれませんが、「なんかつまらない」から脱出する足がかりになると思います。