2018年に読んで印象に残っている本
2018年も終わりまして、自分が2018年の1年間に読んだ本を振り返ってみました。
別に2018年に出版された本に限定していないのですが、kindleの購入日時を見るとどのタイミングでどんなことを考えていたのかが思い出すことができてなかなか面白いですね。
- 夢をかなえるゾウ2 ガネーシャと貧乏神 / 水野敬也
- 「やりがいのある仕事」という幻想 / 森博嗣
- よいこの君主論 / 架神恭介, 辰巳一世
- 仁義なきキリスト教史 / 架神恭介
- お姫様とジェンダー -アニメで学ぶ男と女のジェンダー入門- / 若桑みどり
- 「ほとんどない」ことにされている側から見た社会の話を。 / 小川たまか
- 壊れる男たち - セクハラはなぜ繰り返されるのか / 金子雅臣
- 中核vs革マル / 立花隆
- まとめ
夢をかなえるゾウ2 ガネーシャと貧乏神 / 水野敬也
今更感溢れているチョイス。
ちょうど仕事の年度が変わるタイミングで、若干気持ちが高揚していたことを感じさせます。
基本的に自己啓発本は嫌いなのですが、前作の「夢をかなえるゾウ」はあくまで物語として気軽に読めたので買ってみました。
何を学んだかと言われれば特に思い出せませんが、ガネーシャがかわいいことは印象に残っています。
「やりがいのある仕事」という幻想 / 森博嗣
仕事へのモチベーションが底辺だったころに読んだ一冊。
上司から「やりがいを感じてもらえる職場にしよう」とか、「理念の為に頑張ろう」とか言われると吐き気がします。
そんなおためごかしな発言が本当に嫌で、「やりがい」とか押し付けてくる奴は糞食らえくらいの気持ちで読んだ一冊です。
人々は、仕事に人生の比重を置きすぎた。もっと自由に、もっと楽しく、もっと自分の思うように生きてみてもいいのではないだろうか。成功するとはどういうことか?良い人生とは?すり切れた心に刺さる画期的仕事論。人生を抜群に楽しむための“ちょっとした”アドバイス。(「book」データベースより)
すげぇ大雑把にいうと、仕事にやりがいとかそんなん持たなくてええんやで、といった内容。
職場で肩の力を抜くことができるようなきっかけになった本でした。
また、そんな職場にしか自分の世界がない現状が悲しすぎて、ブログをはじめました。
「意識高くない」とブログ名につけたのは身近にいた「意識高い人間」が胡散臭いと感じていたからです。
よいこの君主論 / 架神恭介, 辰巳一世
何冊か流行りのビジネス本とかを読んでみたものの、そんなものより自分が面白そうと感じた本を読もうと思い色々調べてたどり着いたのがこれ。
マキャベリの名著『君主論』を武器にクラス制覇へと乗り出した小学五年生のひろしくん。だが、彼の前に権力への野望を持つ恐るべき子供たちが立ち塞がる。『君主論』はひろしくんを覇王へと導くことができるのか?小学生の権力闘争を舞台に楽しく学べる『君主論』。クラスを牛耳りたい良い子のみんなも、お子様に帝王学を学ばせたい保護者の方も、国家元首を目指す不敵なあなたも必読の一冊。(「book」データベースより)
実にクレイジーな設定、だけども子供同士の権力争いは実際にあるもんだよなと感じます。
いかに周りの人間をうまく使って自己の立場を高めるのか、という点において君主論は下手なビジネス本よりも有用かもしれません。
小学生の権力闘争自体がなんだかんだ読んでいて楽しい物語、実に読みやすくて楽しい一冊でした。
仁義なきキリスト教史 / 架神恭介
「よいこの君主論」が個人的にヒット、そこでマキャヴェリの「君主論」に行くのではなく、架神恭介氏の他の著作を探すという。
キリスト教の歴史をヤクザにたとえて紹介するというもの。
「おやっさん、おやっさん、なんでワシを見捨てたんじゃ~!」キリスト教2000年の歴史が、いま果てなきやくざ抗争史として蘇る!「あいつら、言うてみりゃ人の罪でメシ食うとるんで」エンタメで学べる画期的キリスト教史入門!(「book」データベースより)
ちょうど「龍が如く」をPS4でプレイしていたということもあり、本当にエンタメ小説として読むことができました。
しょうもないといえばそうなんですが、世界史を大学受験に使っていない自分には世界についての基礎的な教養が欠けているということで、このような入りやすい切り口を提供してくれる本は大変ありがたいのです。
お姫様とジェンダー -アニメで学ぶ男と女のジェンダー入門- / 若桑みどり
アニメーション表現と女性の権利についての話題が2018年は多かったと感じます。
そんな状況で勢いで購入をした本。
「白雪姫」「シンデレラ」「眠り姫」などのプリンセス・ストーリーは大量に生産され、消費されている。本書では、ディズニーのアニメを題材に、昔話にはどんな意味が隠されているかを読み解く。いつの間にか思い込まされている「男らしさ」「女らしさ」の呪縛から、男も女も自由になり、真の男女共同参画社会を目ざす。(「book」データベースより)
アニメーションといっても、この本で取り上げられているのはディズニー。
いわゆる深夜アニメにおける表現では全くないのでご注意を。
白雪姫、シンデレラ、眠れる森の美女と、ディズニーアニメーションの古典作品を取り上げ、この物語にどのようなジェンダー的意識があるのか、ということを読み解いていきます。
上記にあげた三作品はどれも、美しきプリンセスが王子様を待つという物語。
子供向け物語は、その当時の社会規範が反映されやすいものだと思います。
その社会規範として、女性の価値が非常に一面的に評価される状況。
今でも残っている部分は多くありますよね。
ただ、女性の価値はそれだけではないんだという著者の強い気持ちが感じられる一冊です。
男女不平等な現状を理解する一助として、男性も一読するべきものだと感じました。
「ほとんどない」ことにされている側から見た社会の話を。 / 小川たまか
性暴力など男性からだとなかなか見えづらい問題について知りたいと考え購入した本。
以前にも記事にしましたが、上のジェンダーの関する本と併せて読みました。
壊れる男たち - セクハラはなぜ繰り返されるのか / 金子雅臣
性暴力に関する本を読み次に考えたのが、やる側はどんな意識で行なっているのか、ということです。
自分の会社においてもセクハラの問題があったのですが、当事者は「悪いことをしている」という意識が驚くほどないんですね。
なんでそんな悪びれずにいるのか、ということについての答えが見えた気がします。
これも記事を以前に書きました。
中核vs革マル / 立花隆
新左翼というものってどんなものなのか、世代が違うとなかなか理解をすることが難しいと感じます。
日本赤軍と連合赤軍って違うのかとか、内ゲバって連合赤軍以外にあるのかなど、知らないことが多い。
「人狼」という映画は大好きですが、そのモデルとなった学生運動とかについてよく知らない。
wikiで調べても、全体像が掴めない。
ということで、いわゆる「新左翼」に関する本を買いあさった中の一冊。
どのような組織があって、どんな違いがあるのかということをある程度把握することができました。
また、内ゲバとは連合赤軍が行なったもの、と思っていたのですがそれ以上にやばい争いがあったということも知りました。
平成ゆとり世代からすると、日本人が海外でテロを行なったこととか、暴動が国内でなんども起きたことなど、正直信じられなかったりします。
社会の授業でも扱われることがありません。
戦後史で扱うのはせいぜい経済成長とかそれくらい。
そんな時代の空白を知ることができ、非常に興味深い本でした。
まとめ
こうやって振り返ってみると、2018年の頭の方はビジネス書、だんだん飽きて違う方向に切り替わっていっている自分が見えてきます。
2018年後半はジェンダーについての書籍と新左翼に関する書籍が購入履歴にはたくさんありました。
我ながらよくわからない読書履歴でしたが、ここであげた書籍はどれも印象に残ったものです。
2019年は買いあさった本でまだ未読のものを読んでから新しい本を買うようにしたいと思います。