意識高くないゆとり

平成初期型ゆとり世代の意識が高くないブログです。

民間教育機関に多くを求める危険性について

自分は学生アルバイトの時から今までずっと学習塾に勤務しています。

その中で、子供達(生徒)だけでなく保護者にも関わることが多くあります。

どの保護者の方も学費を払っており熱心だとは感じますが、ちょっと寂しい気持ちにもなります。

中学受験を目指す小学生に指導をしていると、学校がお休みの日であっても塾に自習にきてもらったり、授業を受けてもらったりします。

また、日曜日にも特別講習のようなものがあり、大半の時間を塾で過ごしてもらうこととなります。

そうすると、保護者の方とはどれだけ関わっているのだろうか、話はできているのだろうかと不安になります。

例えば「お父さんはどんな仕事をしているの?」と聞いてもわからないという子供もたくさんいます。

 

家庭教育の現在

 教育は①公教育 ②民間教育 ③家庭教育 の3軸からなります。

ここでの「家庭教育」での教育力が失われていると言われています。

家庭教育は、乳幼児期の親子のきずなの形成に始まる家族との触れ合いを通じ、[生きる力]の基礎的な資質や能力を育成するものであり、すべての教育の出発点である。
 しかしながら、近年、家庭においては、過度の受験競争等に伴い、遊びなどよりも受験のための勉強重視の傾向や、日常の生活におけるしつけや感性、情操の涵養など、本来、家庭教育の役割であると考えられるものまで学校にゆだねようとする傾向のあることが指摘されている。
 加えて、近年の都市化、核家族化等により地縁的つながりの中で子育ての知恵を得る機会が乏しくなったことや個人重視の風潮、テレビ等マスメディアの影響等による、人々の価値観の大きな変化に伴い、親の家庭教育に関する考え方にも変化が生じている。このようなことも背景に、無責任な放任や過保護・過干渉が見られたり、モラルの低下が生じているなど、家庭の教育力の低下が指摘されている。

〜中略〜

とりわけ、基本的な生活習慣・生活能力、豊かな情操、他人に対する思いやり、善悪の判断などの基本的倫理観、社会的なマナー、自制心や自立心など[生きる力]の基礎的な資質や能力は、家庭教育においてこそ培われるものとの認識に立ち、親がその責任を十分発揮することを望みたい。

(文部科学省中央環境審議会「21世紀を展望した我が国の教育の在り方について(第一次答申)」より) 

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/old_chukyo/old_chukyo_index/toushin/attach/1309594.htm

つまり、「家庭教育は生きる力を養うもの」であり、「生きる力のの基礎的なものとして、基本的な生活習慣・生活能力、豊かな情操、他人に対する思いやり、善悪の判断などの基本的倫理観、社会的なマナー、自制心や自立心などがある」とのことです。

これが全て正しいとは言えませんが、民間教育の立場からしても実際に家庭教育への意識というものは少なくなっているのではないかと感じる部分もあります。

公教育に委ねるとありますが、これは民間教育に委ねることも多いと感じます。

現在民間教育は充実しており、どのような年齢に対しても何かしらの教育機関が存在しています。

幼い頃から英語教育を受けることもできますし、読書に関する教育機関もあります。

これらが悪いというのではなく、教育機関に預けっぱなしになることについての危険性を感じます。

民間教育機関の危険性

民間教育機関は数多ありますが、どの民間教育機関も基本的に一つの目標に絞ってサービスを提供しています。

シンプルな学習塾だとしたら「成績をあげる」といったものになります。

公教育であれば、成績向上だけでなく様々な役割が求められますが、民間教育機関は目的の専門性を高めることで料金をいただくこととなります。

ただ、この目的を優先することの弊害もあります。

例えば、学力をあげるため学校教育を欠席させる、本質的な学力につながらないテクニックばかり学ばせる、などなど。

民間教育機関側は目的の達成が第一ですので、他のことに対する影響をあまり鑑みません。

目的のためにモラルに欠ける行動を求められることもありえます。

教育機関と聞くと、それだけで様々な教育が行われると考えてしまうことがありますが、民間教育はあくまで目的第一となります。

家庭教育が欠けた状態ですと、学力がない人間を見下すとか、目的以外の価値を見出せないといったことになりかねません。

まとめ

民間教育機関の危険性と言うと、民間教育が非常に悪いものと感じるかもしれません。

もちろんそういうつもりはありませんし、非常に有用なものだと考えています。

ただ、必要な家庭教育がしっかり行われる土壌がある上で、様々な専門教育を受けるようにして欲しいと思います。 

民間教育に頼る前に、まず家庭教育でできることを探してみてください。