意識高くないゆとり

平成初期型ゆとり世代の意識が高くないブログです。

いわゆる「餃子の王将」式の内定者研修を受けた話

こんにちは、何年か前に餃子の王将の研修がネットで話題になりましたね。

とにかく体育会系で、まず徹底的に否定され、最終的にちょろっと褒められ号泣する、みたいな茶番です。

これに対しての反応は賛否両論(否多め)といった感じでしたが、実際にこんな感じの(私自身は王将とは別の企業ですが)研修を受けた流れを思い出しつつ書いていきます。

新卒で入社を決めた企業で、入社直前の3月に4泊5日の研修旅行に行きました。

個人的な感想というか結論を言うと、こういった研修は無意味です。

少なくとも自分は変わりませんでした。

 

 

初日

行きのバスでは、新卒同士で楽しく話をしながらという感じで和気藹々と向かっていました。

研修所には昼過ぎくらいに着き、着替えを終えたところから雰囲気は豹変しました。

まず、整列の練習からスタート。

いきなり怒鳴り声と共に「気をつけ」の練習です。

そんな、役にたつんやろうかということを繰り返したのち、円形になり一人一人が今回の研修での決意表明をさせられます。

名前を呼ばれて、まず大きな声で返事をする必要があります。

これが面倒で、「声が小さい」とか「やる気がない」といった感じで答えることもできずに順番が次の人に移って行きます。

これで合格しないと何度も返事やらなんやらを繰り返すこととなります。

自分も自分なりに大声出しているつもりでしたが、どうやら教官からすると腹がたつ態度らしく、結局最後まで発言することなくやり直させられました。

最終的に時間オーバーとなり、お前は舐め腐っている、他の人間に申し訳なく思わないのかと怒鳴られ終了しました。

夕飯をとったら、今度は仕事10か条みたいなものをひたすら暗記させられました。

中身は、迅速にやれとかそんなやつです。

これを大声で、かつ制限時間内に読めるように暗記しろ、というものです。

休憩時間もひたすらこれの暗記です。

大声出してやっていると褒められ、そうでないとボロカスに言われます。

最後には今日のまとめをレポートで書かされます。

規定枚数を超えなければならないというプレッシャーの中、とにかく今までの自分はいかにダメだったかということを書かされます。

提出後は暗記をやって就寝となりました。

初日はとにかく帰りたい、やばいところに来てしまったという思い、何でここまで否定されるんか、そんなに自分はゴミなんだろうかということばかり考えて寝ることになりました。

寝場所は大部屋で、周りのいびきなどでなかなか寝付けなかったのを覚えています。

2日目

翌日は前日のレポートの返却から始まりました。

ここでは、まだ甘っちょろい、舐めた性根をしている、といった内容が書かれていました。

食事をとったら、今度は掃除です。

グループに分かれて範囲を分担して実施しますが、いつ姑のように文句を言われるかとビクビクしながら掃除をしました。

必死にやりますが相手も姑のプロです、何かしら見つけてはドチャクソ怒られます。

次に謎の合唱が始まります。

突然音楽をかけられ、それをみんなで大声出して歌います。

ここら辺で自分はプッツリ何かが切れて、ひたすら泣いてました。

なぜ大量の涙が出たのかは分かりませんが、教官からすると今までの垢を流していると感じたらしく、自分への風当たりは少し落ち着くようになりました。

その後はビジネスマナーについての講義を受けつつ、発言させられ否定されるということが繰り返される感じでした。

とりあえず何かさせられる、怒られまくる、稀に褒められる、ということをエンドレスで繰り返すのが最終日まで続く感じです。

 

最終日

3日目4日目同じことを繰り返し、最終日になると最後の試験というものがあります。

グループごとに分かれ、一人一人研修の振り返りと今後の抱負を叫ぶというイベントです。

他の人がやっているときは「頑張れー!!」とか叫ぶ必要もあります。

これが支え合いだそうです。

この最終試験には、会社のお偉い方も来て見学しています。

自分も意味のわからないこと叫んで、教官と最後に抱き合いました。

会社のお偉い方とは固い握手を交わしました。

ちなみに、他の同期は「泥にまみれる覚悟はあるか!?」と聞かれ「はい!」と答えたところ、実際に外で泥を浴びてくることになっていました。

これにて合宿は終了、クタクタになって帰りました。

合宿終了後に飲み会になりましたが、ここで話をしていると「すげぇ学んだわ」と言った声もあって本気で恐怖しました。

染まっとる…。

研修を受けての変化

同期との合流意識がなくなる

というのも、めっちゃ成長しました、という人が怖く感じるということ、変に愚痴ったら上まで知られるんじゃないかと疑心暗鬼になったからです。

退職した今は同期と話す中で、これはおかしいんじゃないかという意識が変わらずあるということが分かりましたが、当時は圧倒的断絶感を感じました。

同期も同じように感じていたという人がいました。

入社後の研修はとにかく隠れるように、空気になろうとする

いつ研修官が来るかと怯えていましたね…。

今でも研修を思い出すと動悸がします。

会社への期待が0になった

これが社風かと理解したわけで、あの研修にノリノリになれないといけないなら無理だな、と入社前に転職を考え始めました。

出世をするとまた研修に行かされるということも聞いたので、何一つ業務にモチベーションがない状況になりましたね。

まとめ

あくまで自分の感覚からですが、いわゆる「餃子の王将」式研修は無意味です。

言うことだけ聞く人間を作れるかもしれませんが、本当にそれだけですし、愛社精神のかけらも生まれません。

今の時代にこれが美談としてテレビで紹介されるのも解せないですし、こういった研修は淘汰されるべきだと思います。

徹底した否定からというのは洗脳に近いものですし、人道的にも疑問を感じます。

実際に、自分が受けた研修サービスを行なっている会社は、研修サービスを提供した相手に自殺者を出し訴えられていました。

結局圧政しいていた政府って倒れますしね。

日大アメフト部が話題になりましたが、強権的な指導の成れの果てのように感じます。

こういった研修なり指導がなくなることを心より祈って…。